赤い空
空に視線を移す。
赤く輝く夕日が空にある。
これが、日常なのだ。
平凡で。
平穏な。
幸せな暮らし。
「……これが……いいんだよなぁ」
呟きが大竹の耳に入ったようだ。何かいぶかしむように緋影を見ている。
「さて、そろそろ帰りますか」
葵は時計を見ながら呟く。
「よ〜しっ!じゃあ帰ろうぜ」
もうピーマンを食わなくてもいいと考えた大竹は一目散に駆け出す。
その後に、葵と緋影が続く。
緋影は足を止め、後ろを振り返る。
「どうかしましたか?」
それを不審に思ったのか葵が声を掛けてきた。
「いや……空が赤いなあ、と思って」
苦笑しながら再び歩き出す。
以前の自分なら、こんな明日生き延びれるかもあやふやな状態で、そんな感傷に浸ることもなかっただろう。