浪漫を求めて

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クロマンサー

クロマンサー

セインが言い終わると同時に羅刹が気合い共に踏み込み、セインの胴を薙ぎにかかる。

それをセインは剣で弾き返し、再び距離を取る。

羅刹はセインの意図をこの時、悟った。

「……時間稼ぎか……!」

セインは答えない。

「……こんな暴挙が許されると思っているのかっ?!」

静かな怒気を含めながら羅刹は突きを繰り出せるように刀を水平に構えた。

しかし、セインは、

「許される?くっくっく…」

今度の笑いは今までのものとは違っていた。その笑いは明らかに相手に対して怒っているものだ。その笑みを見た羅刹の表情が怪訝なものに変わる。

「こう言ったのはお前だぞ?『他者を犠牲にせずに得られるものなど、今のこの世界には何一つとして無い』、と」

羅刹の肩が僅かに震える。

「お前達が『死人返り』を肯定することで、周りの街は危機的な飢饉に陥っている……ユートが言っていただろう。周りの街の富を吸い上げている、と……必要以上になっ!」

初めてセインが反撃に転じた。

水平に構えた剣から二段突き、一つは喉、もう一つは胴目掛けて、放つ。

咄嗟に避けたが、羅刹の鎧に傷が走る。首からもうっすらと赤い血が流れている。

「残念ながら、お前の言っていた『他者を犠牲にせずに得られるものなど、今のこの世界には何一つとして無い』という言葉は事実だな。それは認めよう……そして、その言葉通り、お前達は生者を犠牲にすることで、死者を蘇らせてきた……ならば今度は死者が犠牲にされても文句は言えまい……それが『こんな暴挙が許されると思っているのか』だと?飢えで死んでいった子供達の目の前で、貴様等の首を切り落としてやりたかったな」

そう言う彼の脳裏には一ヶ月前に出会ったある村の子どもの顔が浮かんでいた。