ロマンサー
(……なぜ……なぜこんな子どもが……死ななければならないのだっ!)
セインの表情には怒りのみが浮かんでいた。
一ヶ月後、セインは軍から命令を受けた。
その内容は、(村を退去して、『死霊使い』の街を攻撃せよ)という命令だった。
『死霊使い』が住むと軍から伝えられた街はこの村からさほど離れていなかった。
セインは部下に命じて、その街の状況の調査を命じた。
なぜかこの近辺は飢饉に見舞われる村が多い。しかし、部下の報告では『死霊使い』が住むと言われる街は豊かなものだったそうだ。水も、食糧も豊富に揃っており、餓死者などは見当たらないどころか、栄養失調になっているような者すら見当たらない、と。
セインは確信した。
旱魃だけではこの村の状況が説明出来ない。それ程にまで、村の飢饉はひどかった。そして、同様にこの近辺もひどい飢餓に晒されている。
『死霊使い』を求める人々が食糧を持って村を出ることで、不必要な分まで食糧や水が村々から流出し、更には村の働き手も街に流れてしまったのだと。
セインは半分の部下を村の旱魃対策にあて、残り半分の部下を率いて、『死霊使い』が住む街を訪れたのだ。
そして、彼は決断した。
『死霊使い』の暗殺を。